ホット・ジュピーター


ホット・ジュピーターとは恒星の至近距離を周っている太陽系外の巨大ガス惑星のことである。太陽系外の惑星発見法に巨大ガス惑星の重力で恒星が周期的に揺れるのを観測する方法がある。例えば、1ヶ月間隔で揺れる恒星があれば、公転周期1ヶ月の巨大ガス惑星を持っていると推測できる。(太陽木星の公転周期である12年間隔で揺れている。)そして、この方法を使って木星の0.6倍の質量を持つ巨大ガス惑星が発見されたのだが、公転周期はたった4日だった。これだけ、公転周期が短いということは恒星のすぐ近くを公転していることになる。そのため、恒星の重力に縛られ自転することができず、常に同じ面を恒星に向けている。表面温度は恒星に向いている面で1200度。この熱によって秒速1800m(秒速4000mの風が吹いている可能性のあるホット・ジュピーターもある)に達する風が発生し、所々に地球の数倍の大きさの渦をつくりながら惑星表面を駆け巡っている。このような太陽系外惑星を"ホット・ジュピーター"または、"巨大灼熱惑星"と呼ぶ。ホット・ジュピーターは惑星同士の重力バランスの乱れによって誕生したと思われる。1つの惑星系に巨大ガス惑星が三個できるとニ個の場合に比べて、惑星系の重力バランスが極端に悪くなる。そうなると重力の弱い地球型惑星は中心星や巨大ガス惑星に激突して消滅する。残った巨大ガス惑星も軌道を乱して恒星に異常接近し、ホット・ジュピーターになったり、異様な楕円の公転軌道を持つようになる。ホット・ジュピーターの発見によって、典型的な惑星系と思われた太陽系が奇跡の惑星系であることが分ってきた。



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