群れを追って旅を続けるフリー達3羽。夜になり、休もうと火山のふもとにある森に降りた。
「なっ、何だお前らは?!」
枝にとまっていた鳥が驚く。
ロン「実は我々は旅の途中でして…今夜はこの森に泊まろうかと…」
「そういうことか。だったらリーダーのディエム殿に会ってくれ」
3羽は教えられた木に行った。下の方の枝には細い枝でつくられた巣があり、4羽のヒナと世話をする1羽の親鳥が。
(映↑)枝に降り立つフリー達→とまっていた鳥→話す2羽→森の中を飛ぶ3羽→巣
?「おーよちよち…ぎゃー引っ掻くな!」
ロン「あのーディエム殿ですか?」
?「えっ?!」
驚いて振り返る親鳥。視線の先には、すでに巣の横に降りて
いた3羽。
ディエム「そっ、そうだが何か?」
ロン「今夜、この森に泊めてもらおうかと思いまして…」
ディエム「ああ、いいぞ」
フリー「えっ?!そんなあっさり…」
驚くフリー。
ディエム「この森には外界の者があまり来なくてな。だから君たちのような訪問者は丁重に迎えることにしているんだ」
ロン「そうでしたか…にべもなく(あっさり)断られるのではないかと…」
フリー「ふう…良かった…」
追い出されず、安心する3羽。
ディエム「そうだ!せっかくだからこの森を案内してあげよう」
フリー「面白そうだし、いってみるか」
ディエム「じゃ、いい子にしてるんでちゅよ〜」
いつの間にか、眠りかけているヒナにディエムは言った。
カレン「親バカね…」
少し呆れる3羽だった。
(映↑)適当に切り替えて
一方、群れは星空の下、雪原のど真ん中にいた。
クイック「今夜はここで寝るしかないな…」
ピーター「はい、しかし風もないですし、まあ何とかなるでしょう」
クイック(フリー達よ、お前たちはいい場所を見つけられているか?頼むから無事でいてくれよ…)
星空を見上げながら、クイックは祈った。
(映↑)雪原上の群れを遠くから→話す2羽→空を見上げるクイイクを近くから→目線の先の星空
その頃、フリー達は…
フリー「あー極楽極楽…」
カレン「気持ちいいわ…」
ロン「こんなものがあるとは…」
火山付近の森の中にある直径3mほどの温泉に入っていた…
ディエム「そうだろそうだろ」
温泉の脇に立っているディエムが言った。
フリー「うーん…頭がクラクラしてきたぞ」
ウツロな表情のフリー。
カレン「もう出てたら?」
フリー「よし、出るか!」
羽ばたき温泉からディエムのほうへ飛び出すフリー。
ディエム「あっ!、急に出ると…」
慌てるディエム。
フリー「ぎゃー寒い〜!」
慌ててフリーは温泉の中に戻った。
フリー「ふう、びっくりした…」
ロン「きっと温度差と気化熱のせいですよ」
フリー「じゃあ、どうしろと?」
ロン「そっ、それは…」
困るロン。
ディエム「まっすぐ少し上に出て、高度を維持するんだ。そうして蒸気を浴びながら、少しずつ外へ出ていくんだ」
フリー「なるほど!」
言われた通り、3羽は蒸気の中でホバリングした。
ロン「こうして体を慣らすわけですね」
カレン「?」
何かの気配を感じたカレン。
カレン「あっ、何かくるわ」
フリー「えっ?!」
(映↑)ここまでは適当に切り替えて
森の中から一頭の鹿が現れた。雪を踏みしめながらゆっくり温泉に近づいてくる…
フリー「くっ、食われないだろうな」
ディエム「大丈夫だ。あいつは木の皮や葉しか食べないからな」
話している間に鹿は温泉の脇にきた。そして温泉の水を飲みだした。
(映↑)闇の中から現れ、近づく鹿→話す2羽→鹿のアップ
フリー「よかった〜これを飲みにきただけか」
ディエム「これを飲めば体の中から暖まるからな」
とその時、鹿は何かを察知し、森の中へ走っていった。その直後、一匹の真っ白なオオカミが現れた。あっという間にオオカミは温泉の脇を走り抜け、鹿を追って森の中へ消えていった。
一瞬の出来事にボー然とする3羽。
(映↑)森を見る鹿→走ってくるオオカミ→温泉の脇を通るオオカミ→闇の中へ消えていく鹿とオオカミ
ロン「今のは…」
ディエム「あいつは水を飲んでいたヤツをエサにしているんだ」
フリー「えっ?!」
ディエム「あの角の生えた生物は木を食べる。だから増え過ぎると、この森は食い荒らされてしまう。しかしそうはなっていない。それは真っ白なヤツが角の生えた生物をエサにし、増え過ぎるのを防いでいるからなんだ」
オオカミが消えた森の闇を見ながらディエムは言った。
(映↑)ロン→ディエム→鹿→森の木の葉→オオカミ
ロン「なるほど…自然の摂理、ってヤツですか…」
ディエム「ではそろそろ次の場所に…」
フリー「次はどんなところなんだ?」
ディエム「かなり美しいものが見られるぞ」
カレン「へぇー、楽しみ〜」
目を輝かせるカレンだった。
(映↑)適当に切り替えて
旅の途中で立ち寄った森の中を案内してもらっているフリー達。温泉に入り、次の場所に移動しようとした時、小さな雲が月を隠した。
ディエム(まずいな…いやあの大きさなら大丈夫か…)
不安そうに空を見上げるディエム。
ロン「どうかされました。?」
ディエム「いや何でもない。さあ行こうか」
月が隠れほぼ真っ暗な森の中を、4羽はディエムを先頭にし、低空飛行で飛んでいく。
ディエム「ここだ」
そこは森の中にある少し開けた場所だった。一面に暗い白色をしたバラが咲いていた。ディエムはその上でホバリングした。少し遅れてフリー達も飛んてきた。
ロン「見せたいものというのはこの花ですか?」
(映↑)雲に隠される月→暗くなる森を→空を見上げるディエム→空を見上げるディエム→話す2羽→移動する4羽→着いた4羽を遠めから→ホバリング中のディエム→追いついた4羽→ホバリングし、花と囲む4羽
ディエム「ああ…」
しきりに空を気にながらディエムは答えた。
カレン「うーん…見たことない花だけど、そんなに珍しい気は…」
複雑そうなカレン。
ディエム(よし、いいぞ)
空を見ていたディエムが視線を花に戻した。
(映↑)ディエム→カレン→花のアップ→ディエム
ディエム「まあ見ていてくれ…」
月を隠していた雲が流れ、再び月の光が森を照らす…
フリー「えっ?!」
カレン「うそぉ?!
ロン「こっ、これは?!」
驚き、花にくぎづけになる3羽。
今まで暗い白だった花が月の光を浴びると、妖しい青色の輝きを放ちはじめた。
カレン「なんで?!今まで白かったのに…」
ディエム「この花自体に色はほとんどない。しかし光が当たると青く輝くんだ」
カレン「へえ…不思議…」
ディエム「ちょっとゆっくり動いてみてくれ」
言われた通りゆっくり動くフリー達。
(映↑)雲の中から現れる月→明るくなる森→驚く3羽をアップで切り替えて→輝く花→各キャラを適当に切り替えて
フリー「あ…」
カレン「わあぁ…」
ロン「色が…」
フリー達が動くと花は緑や紫に輝きの色を変えた。
ディエム「この花は見る角度によって色が変わって見えるんだ」
フリー「どうなっているんだ?」
ロン「きっと花の表面に何か秘密があるんでしょうけど…」
フリー「こんな花があるなんて夢にも思わなかったぞ」
ディエム「珍しいだろう?この花は我らの宝であり、結束の象徴なんだ」
カレン「結束…?」
ディエム「我らは種を採って別の場所に植えたり、交代で見張って、あの角の生えた生物が近づいてきたら追い払ったりしているんだ」
ロン「大変ですね」
ディエム「いや、花を守るという目標を共有することで我らは1つになっている。だから花に感謝したいぐらいだ」
フリー「この花が群れを…」
しばらく3羽は花を見続けた。
(映↑)動く3羽→花のアップ→話しているキャラを切り替えて→森の中を歩く鹿→花を見る3羽
この輝く花の秘密については完結してから明かします。
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