フリー「へっ?、面白いものって…」
フクロウ「湖を見てみるのじゃ」
言われた通り、湖を見る3羽。すると…
カレン「えっ、光った?!」
湖の上に黄色い光の点が現れ、消えた。
フリー「あっ!まただ!」
今度は別の場所に光の点が現れ、消えた。
カレン「あっ!今度は3つ」
どんどん光の数は増えていく。無数の光が湖の上に舞う。この湖にはホタルが住んでいたのだ。
(映↑)フリー→フクロウ→3羽を遠めから→光の点→フリー→増えていく光
フリー「…」
見とれて何も言えないフリー。
カレン「きれい…」
うっとりするカレン。
ロン「まるで夜空の星が踊っているようです!」
ロンも大感動。
(映↑)それぞれのアップと光の舞を切り替えて
フクロウ「どうじゃ?きれいじゃろ。」
ロン「はい!それにしてもあの光はいったい…」
フクロウ「あの光は生物が発しておるんじゃ」
フリー「えっ、生物が?!」
フクロウ「うむ、あの生物は毎年今ごろになると求愛のため、光るのじゃ」
フリー「どういう特訓をすればこんな光を出せるんだ?」
フクロウ「特訓など必要ない。こやつらは生まれたときから
光る術を知っておるのじゃから」
ロン「瀬踏み(練習)もせず、こんな光の舞いを踊れる生物がいるなんて…」
カレン「これを毎年見れるなんて…ちょっとうらやましいわ」
うっとりしながら言うカレン。
(映↑)それぞれのアップと光の舞を切り替えて
フクロウ「まあ毎年といってもそれはワシにとってのことじゃがな」
3羽「?!」
フクロウ「こやつらはこの舞いを終えたら、土に還る運命にある。ワシにとっては毎年でも、こやつらにとっては一生に一度きりの舞いなんじゃ。それに光の強さや色合いは皆、微妙に違う。つまりこれと全く同じ光景は二度と見られないのじゃ」
カレン「そう考えるとしかっり見なきゃね…」
その時、一匹のホタルがフリーの足元にとまった。
フリー「…」
無言で見つめるフリー。
フクロウ「よく見ておくんじゃよ…この世にそれと全く同じ光はもう二度と生まれてはこないからのう…」
(映↑)それぞれのアップと光の舞を切り替えて→フリーのアップ
一方、雪原にたたずむ大樹…
ここはよく晴れ、夜空には月が輝いていた。
枝の上から月を見つめるウインク。
「ピーー!!」
ウインク「?!」
ウインクが振り返り、下を見ると1羽のヒナが地面に落ちていた。
ウインクは迷わず、飛び降りた。
ウインク「くっ…」
必死に翼に力を込め、ヒナ目指して降下。何とかヒナのもとに着いた。ウインクはヒナと地面の間に頭を入れ、ヒナを背負い、飛び立った。何度も下降と上昇を繰り返すウインク。少し時間はかかったが、何とかそのヒナの巣に辿り着いた。
ウインク「だめ…静かにして…」
(映↑)遠くから見た大樹、右上に月→ウインク→雪の上のヒナ→ウインク→ウインク目線のヒナ→ウインク
鳴き続けるヒナをなだめ、親や兄弟を起こさないように、そ
っと巣に戻した。ウインクは落ちたことが分からないように
、ヒナに付いた雪を翼ではたき落としてから定位置の枝に戻った。
また月を見上げるウインク。
ウインク「もっと上手くならなきゃ……」
ウインクはウィークのことを思い出した…
ウインク「ウィークか…会ってみたいな…」
そのウィークはフリー達の故郷の島の木の枝にとまり眠っていた。
(映↑)ウインク→ウインク目線の月→フリー達の故郷の島→ウィーク
ウインク「でも遠いだろうし…まっ、いいか」
ウィーク「うわっ!!」
ウィークは枝からずり落ちた。すぐにウィークは羽ばたき、地面に落ちることなく、枝に戻った。
ウィーク「危なかった〜」
胸をなで下ろすウィークだった。
(映↑)ウインク→落ちたウィークは追わず、画面は止めたまま。
このホタルのイベントは去年から頭にあったモノ。そのままだと個性だとか命の大切さを描いているようにみえます。しかしいろんな応用?ができます。例えば高校野球。夏でも選抜でも言える事ですが、高校野球が毎年あるというのは見ている人についてのみ、言える事です。出ている球児達にとっては一生に一度きりということが多々あります。
今回は映像指定無しです。
朝、洞窟内で眠るフリー達…
カレン「きれい…」
ロン「光…」
フリー「もう食えね…」
フクロウ「おーい!朝じゃー!起きんかーい!」
眠っている3羽を起こすフクロウ。
フリー「うーん…」
目覚める3羽。
フクロウ「朝じゃぞー!」
フリー「朝か…」
カレン「早く出発しなきゃ…」
ロン「しかし相変わらず、ここは真っ暗ですね」
フクロウ「じゃが、間違いなく朝じゃ。ワシは夜明けを合図に外から帰ってきたばかりじゃから」
ロン「夜行性ということですか」
フクロウ「うむ、ワシの種族は皆そうなんじゃ…」
フリー「よし、行くか」
フクロウ「元気でな〜ガクッ、Zzzzz…」
フクロウは一瞬で寝てしまった。
フリー「えっ…」
カレン「フリーよりすごいかも…」
ロン「確かに…」
呆気にとられる3羽。
フリー「行くか…」
つぶやくようにフリーは言った。
カレン「そうね…行きましょう!」
3羽は飛び立った。
湖の上で3羽そろって旋回。湖の出口に入る。そのまま洞窟内の川の上を飛んでいき、滝の上を通過。前が明るくなってきた。どんどん光は強くなっていく。そして…
フリー「外だ〜!」
3羽は洞窟から飛び出した。外はよく晴れ、朝焼けと青空が3羽を待っていた。
カレン「ちょっとまぶしいわ」
ロン「やはり外は気持ちいいですね」
朝日の位置から北西を割り出し、旋回。岩だらけの山肌に沿うように飛んでいく。徐々に山は後方へ離れていく。ホタルのことを思い出す3羽。
フリー「この世でたった1つの光か…」
カレン「私たちも同じね…」
ロン「ええ、我々が所属している群れもいつも同じにように見えますが、各メンバーは移り変わっていく…そして全く同じメンバーは二度と生まれない…」
フリー「親からもらったこの命…大切にしないとな…」
この世に同じ命は2つとない。新ためて命の大切さを感じつつ、旅は続く。
陸を越え、海を越え、十数日後の朝…
夜が明け、明るくなっていく空に飛び立つ群れ。飛び始めて間もなく、地平線上に森が見えてきた。その奥には高さ2km程度の火山がそびえ、山頂からは白い噴煙が立ち昇ってた。
クイック「ん?あれは雲…か?」
ピーター「いや、雲ではない気が…」
生まれてからずっとあの島で過ごしてきたクイック達、あれが火山というものであることも、それがどういうものかも知らなかった。
(映↑)飛び立つ群れ→地平線上の森を群れ目線で→群れ目線で小さく見える火山→噴煙のアップ
クイック「山はよく分からんが、森は広そうだな…」
ピーター「あの森を終着点にしますか?」
クイック「いや、まず先にあの妖しい山を調べるんだ」
ピーター「了解!」
しばらくし、群れは森の上空に到達。飛びながら森を見てみる。雪を被った真っ白な針葉樹林。その中では多くの鳥が飛び回っていた。みな同じ種類の鳥であるようだった。
(映↑)森から見上げた群れ→群れ目線の森
ピーター「この森はあの群れの住み家のようですね…」
クイック「うーん、これは面倒だな…」
ピーター「ええ、ここに居着くには、あの鳥たちと交渉する必要がありますから…」
やがて森を通過し、山のふもと上空まできた。高度を10m以下にまで下げ、山肌を観察する。雪で真っ白になってはいるが、所々に地面が露出している場所があり、そこからは水蒸気が立ち昇っていた。またその周りは硫黄分で黄色っぽくなっていた。
(映↑)話す2羽を近くから→遠めから見た群れ→高度を下げる群れ→群れ目線の山肌→噴出孔
クイック「異様な光景だな…」
ピーター「はい…変な臭いもしますね…」
群れのメンバーも初めて嗅ぐ硫黄の臭いを気持ち悪がっていた。そんなメンバーを見るクイック。
クイック「近くに海もないことだし、あの森はあきらめるか」
ピーター「そうですね…この臭いが下りてきたら嫌ですし…」
海がないことと火山を嫌って群れは別の森を目指すことにした。
(映↑)話す2羽を近くから→群れをいろんな角度で→飛び去る群れを背後から
その日の夜、この森にフリー達がやってきた。空はよく晴れ、満天の星空に満月が輝いていた。前には森、その奥には火山が巨大な黒い影として見えていた。
フリー「いいタイミングで森が見えてきたぞ」
ロン「後方に山が見えますね」
カレン「ええ、ずいぶん大きいわね…」
暗いため山頂から立ち昇っている噴煙や山頂の水蒸気は見えなかった。
もちろん、フリー達も火山を知らないが…
やがてフリー達は森の上空にきた。
フリー「よし、降りるぞ!」
フリー達は森の中へ降りていき、ある木の枝に着地。すると…
(映↑)フリー達を近くから→フリー達を下から、背景に星空→フリー達目線の森と火山→フリー達→話す3羽→フリー達を上から、背景に森→降下する3羽を近くから
続き
もどる
章名一覧へ
「この作品」が気に入ったらクリックして「ネット小説ランキングに投票する」を押し、投票してください。(週1回)