あらすじ
北に向かって飛び続ける群れと後を追うフリー達。そんな
中、群れは海面に散らばるたくさんの魚の残骸を発見。食べ
始めるが、辺りから謎の鳴き声が聞こえ出す。さらに海中に
は巨大な黒い物体が。接近する黒い物体を見てクイックは群
れに空へ逃げるよう叫ぶが…
次の瞬間、海中から大きく口を開けたシャチが出現。海面
に浮いていたメンバーを飲み込んだ。飛び立つメンバーたち
。しかし別のシャチが海面から大ジャンプ。メンバーを飲み
込む。他の場所からもシャチが出現。全部で5頭のシャチが襲
ってきたのだった。
(映↑)飛び立ったクイックを飲み込もうとして空振りするシ
ャチ→飛び立つメンバー→メンバーを飲み込む複数のシャチ
を切り替えて
クイック「やはりワナだったんだ」
ピーター「では、もしやあの魚は…」
クイック「ああ…わざと食べられる部分をたくさん残して魚
を食い散らかす。それに寄って来たヤツを獲物として一気に
狩る、これがあの生物の作戦だったんだ。もっと早く気付い
ていれば…」
グスタフ「すいません…オレが食べださなければもしかした
ら…」
クイック「お前が謝ることはない。全ては未知の敵に対応で
きなかった私の責任だ…」
キケロ「仕方あるまい…」
3羽「!!!」
驚く3羽。
クイック「ぶっ、無事でしたか。キケロ殿」
キケロ「うん?まーな…」
(映↑)話す3羽→謝るクイック→背後からキケロの声が聞こえ
、振り向く3羽→キケロのアップ
回想…
クイック「これはワナだ!!!みんな飛び立て!!」
キケロ「了解!!ほいやーー!!」
クイックを高く評価していたキケロは多くのメンバーがク
イックが理由を言うのを待っていたのに対し、反射的に、飛
び立った。そのため、余裕で避難できたのだった。
キケロ「ともかく、ヤツらとて自然の営みの一部、そして時
に自然はワシらの想像を遥かに超えた試練を与えてくるのじ
ゃ」
(映↑)叫ぶクイック→垂直上昇するキケロ→キケロのアップ
その後、クイックは近くの島で群れの被害を調べることに
した。ピーターとともに数を数えていく…そして…
クイック「私は414だ…お前は?」
ピーター「こっちも同じです。ということは…」
クイック「被害は30ということだ…」
ピーター「やはり我々にってこの旅は厳し過ぎるのでは…」
クイック「だが、あの島ではもう暮らしていけなくなってい
ったんだ。我らにはもっと若いヤツが安心して一生を過ごせ
る場所を探す義務があるんだ」
キケロ「そういうことじゃ。ワシらは南という過去を振り切
り、北という未来に向かっていくしかないのじゃよ」
(映↑)数える2羽→クイック→ピーター→キケロ→故郷の島→
北の空
再び飛び始めた群れ。昼ごろ、目のに果てしなく続く白銀
の大地が現れた。
クイック「ずいぶん大きな島だな」
ピーター「ええ…」
(映↑)飛中の群れ→大雪原をクイック目線で
島育ちのクイック達は知らなかったが、そこは島ではなく
大陸だった。
時間は流れ、夕方。白銀の大地が夕日に照らされ、美しく
、輝いていた。しかしクイックはその光景に感動していられ
る心境ではなかった。
クイック「まずいな…」
ピーター「ええ、もうすぐ、夜。しかし我々の休むのに適し
た場所が見つかりません…」
(映↑)夕日→オレンジ色の雪原→飛中の群れ→話す2羽
さらにしばらく飛んでいると何本かの枯木が見えてきた。
クイック「うーん…枯木では風はしのげないぞ…うん?!あれ
は!!」
10本ほどの枯木に囲まれた大樹がみえてきた。それはクイ
ック達が想像したこともないような大きさで、大量の葉が幹
を隠すようにしげっていた。
(映↑)飛中の群れ→オレンジ色の雪原→飛ぶ群れ→話す2羽→
何本かの枯木→クイック→大樹→大樹の葉の海をアップで
今回はサブタイトルを上陸とハンティングのどっちにする
か迷いましたが、命にかかわることなので後者にしました。
あとシャチはかなり頭がいいですが、さすがにこのような狩
りはしないはず。つまりフィクションならではの誇張と言う
ことです。最後に出てきた大樹はモンキーポッドにあるこの
木何の木みたいな感じで。
ホワデビは小説ではなく、アニメ映画のストーリーを文字で説明する感覚で書いているため映像指定を書いていますが、今回は会話だらけなので無しです。ぶっちゃけた話しいつもより読みやすいかも。それと今回から記事タイトルから"連載小説"を省きます。
あらすじ
北を目指す群れは大陸に到達。夜をむかえたが、雪原ばかりで休めるところは無し。しかし雪原の中にたたずむ大樹を発見。そこに泊まることに。
クイック「あそこなら何とかなるぞ」
とその時、何羽かの鳥がそこから飛び立った。さらに葉の中で、見送っている鳥もいた。
ピーター「どいやら、あの木は彼らの住家のようですね」
クイック「よし!私が話してこよう!」
そう言ってクイックは葉の中に突っ込んだ。
「だっ、誰だ!?」
中にいた鳥が驚く。
クイック「実は…かくかくしかじか…」
「コクコクのフムフムというわけか…よし!我らのリーダーであるユグノ殿に話してこよう」
別の鳥に大樹の上の方の枝に案内されたクイック。そこでは1羽の鳥が待っていた。
ユグノ「もう話しは聞かしてもらった。私がこの家族リーダー、ユグノだ。言っておくが、ユグノーではないぞ。伸ばさず、スパッと切ってくれ」
クイック「はぁ…」
どう応じるべきか、困るクイック。
ユグノ「で、この木への滞在だが…」
つばを飲み込むクイック。
ユグノ「認めることにした!」
クイック「本当ですか!?」
思わず前のめりになるクイック。
ユグノ「ああ。この辺にはまともな木はこの1本しかない。少々、我々は窮屈な思いをすることになるが、今夜だけならきっと家族も認めてくれるだろう」
クイック「あの…さっきから言っている家族というのはいったい?」
ユグノ「えっ、ああそれはこの木に住む鳥、全てだ。せっかく、同じ木の下に生まれた以上、みんなに幸せに暮らして欲しい。そのためには、全員が様々なことで協力し合う必要があるのだ。だから私は、群れを1つの家族とみなしてもいいだけの絆を作り上げたのだ。そしてそれには群れ全員が賛同してくれたというわけだ」
クイック「そうですか…私も見習わなければならないですね…」
ユグノ「なーに、群れごとに理想の形は違う。気にすることはない…あっ、そうだ!」
何かを思い出したユグノ。
ユグノ「1日とは言いえ、我ら家族の一員になるのだ。君の群れに手伝って欲しいことがある。」
クイック「何でしょう?」
ユグノ「雪かきだ」
クイック「枝の雪を下に落とすのですか?」
ユグノ「そうだ。どうして周りが枯れたと思う?それは雪のせいなんだ。」
クイック「?」
全く分からないクイック。
ユグノ「見ての通り、大きな木は枝も巨大だ。そこに積もる雪の量も非常に多い」
はっとするクイック。
クイック「まさか…その重みで…?」
ユグノ「そうだ。積もった雪の重みで枝が折れる、同時に大量の葉を失う、葉は木が生きるために必要な栄養を生み出す、その葉を大量に失った木は枯れていくしかない。周りの木は全てそうなった。住でいた鳥は我らの仲間になったものもいたが、多くはこの地を離れていった。だが、我らはこの地を捨てるわけにはいかない。そのためには我らで雪を片付ける必要があるというわけだ」
クイック「分かりました。手伝いましょう」
ユグノ「じゃあ上の方の枝から手伝ってもらおうか」
クイック「なるほど、下からやると、終わる頃には上から落ちてきた雪が積もってしまっているからですね。では群れを呼んできます」
さっそく、クイックは近くの枯木で待機させていた群れを呼び寄せた。そして雪かきを始めるた。くちばしでつまんだり、突いたり足で蹴って雪を落としていく。
ユグノ「うーん…数が多いとはかどるなあ…」
木の最も高い枝でつぶやくユグノ。一方、最も低い位置にある太い枝には1羽の小さなメスがいた。上から落ちてくる雪を体に被りながら、必死に雪を地面に落としていた。
夜…
ある島の木で眠るフリー達。その頃、大樹ではキケロとユグノが何か、話し合っていた…
今回はかなり退屈な回です。しかし次回からが本番。イベントも今までのようなあっさりしたものではなく、メッセージ性のあるものになってきます。また映像指定も次回から復活します。
朝…朝日が雪原の中の大樹を照らし出す…
群れは大樹の上の方に集結していた。
クイック「今日も北へ向かって飛ぶぞ。」
ユグノ「ちょっと待った!!」
クイック「おわ!!」
テイクオフ直前に止められ、ずっこけそうになるクイック。
クイック「なっ、何でしょう」
ユグノ「ここの真北には山脈がある。その辺りは気流が不安定だから避けた方がいい」
クイック「ではどちらに行くべきでしょう?」
ユグノ「あっちだ!!」
ユグノは羽で北西を指した。
クイック「では、気を取り直してしゅっぱーつ!!」
ユグノ「ちょっと待った!!」
クイック「おわ!!」
テイクオフ直前に止められ、またずっこけそうになるクイック。
クイック「こっ、今度は何でしょう」
ユグノ「実は…」
キケロ「それについてはワシから話そう」
突然、上の枝からキケロが降りてきた。
クイック「いったい…」
キケロ「実はな、ワシは他の年寄りとここに残ることにしたんじゃ」
クイック「そんな…本当ですか?!」
驚くクイックにキケロは話し続ける。
キケロ「やはりワシらに長旅はこたえる。その上、自然は手加減を知らん。ワシが今、生きておるのも奇跡に近いからのう」
クイック「ユグノ殿はよろしいので?」
ユグノ「もちろんだ。きちんと話し合って決めたことだからな。群れ全ては難しくとも、一部なら家族として受け入れられる。それに我ら家族には若いメンバーが多い。キケロ殿の経験や考え方はきっと何かの役に立つはずだ」
クイック「そうですか…なら止めはしません。どうかお元気で」
キケロ「ああ、みんなのことはまかせたぞ」
クイック「あっ、そうだ」
何かを思い出したクイック。
クイック「フリー達!」
キケロ「おお、あの3羽か!」
クイック「ええ、我々はずっと真北へ飛んできました。そうして辿り着いたこの辺りには、この大樹以外にまともな木がありません。つまりいつになるかは分かりませんが、彼らがここに来る可能性が高いのです」
キケロ「分かった。ワシにまかせておけ」
クイック「では!!」
こうしてキケロを含め50羽が残り、他の鳥は北西へと旅立った。
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