"太陽の恵み"って何円!?


ここでは太陽の恵みの現金価値を勝手に計算してみます。具体的には人類が太陽から受けている同量の光と熱を全て電気と石油から作り出した場合の1日分の光熱費を計算してみます。



まずは太陽熱を考えます。これがなければ地球は極寒の惑星になってしまい、人類は生きていけません。

太陽が1日に生み出す熱量

太陽の核融合反応では1gの水素から1500億calの熱が生成されています。太陽中心核では1秒間に6億tの水素が反応しています。ということは1秒間に9×1025calのエネルギーます。1日ではこれに3600と24をかけた7.776×1030cal、となります。

実際に1人が受け取る量

地球が受けるのは全太陽熱の22億分の1です。夜は受けていないようにみえますが、熱は空気や海水を通して循環してますので、24時間受けていることにします。またその熱を人類が独占していることにします。すると地球が受ける太陽熱を世界人口の65億で割ることで1人当たりの熱量が計算できます。それは太陽が1日に生み出す熱量を22億で割り、さらに65億で割った5.438×1011cal、となります。

現金換算

石油価格を1バレル110ドル、1バレル=159L、1ドル=105円、とすると石油1Lは、110÷159×105、で72.6円となります。石油1Lが920万calの熱を生み出すとすると、5.438×1011calの熱を生み出すのに必要な石油は、この数値を920万で割ることで算出できます。それは5万9108.7Lです。これに72.6を掛けて小数第1位を四捨五入すると、429万1292となります。よって1人の人間が1日に受け取る太陽熱の現金価値は429万1292円となります。



次は太陽光を考えます。光は無くても生きていけるようにみえます。しかし、光は食物連鎖の底辺である植物の光合成に不可欠です。植物が全滅すれば、それを食べる草食動物、さらにそれを食べる肉食動物も全滅です。もちろん、植物(農産物)と草食動物を食べる人類も生きていけません。

電球換算

真昼に真上から太陽が地面1平方mを照らす明るさは、高さ1mの所にある100Wの電球1000個相当です。1mの所に電球があれば、まともに立って歩けませんが、ここでは考えないことにします。ちなみに光は距離の2乗に比例して暗くなっていくので、高さ2mなら4000個、3mなら9000個必要です。


実際に受ける量

まず夜はゼロですし、朝や夕方も100Wの電球1000個分に達していませんので、とりあえず3で割ります。ただし夜のときも太陽光は異国で日本が輸入する農産物を育てていますので、割らないという考えもありです。さらに天候不良を考慮し、2で割ります。すると1時間に受ける光は平均100kWhの6分の1相当となります。


電気料金換算

1時間に受ける光は平均100kWhの6分の1相当なので、1日に受ける量はこれに24をかけた400kWh相当となります。これを東京電力の料金体系(1kWh当たり0〜120kWhは16円05銭、120kWh〜300kWhは21円04銭、300kWh〜は22円31銭)で現金換算すると1日に受ける太陽光の現金価値は約7944円となります。熱に比べると非常に安く見えますが、1ヶ月間(1万2000kWhを現金換算)だと約26万6740円となります。あなたの家の電気代と比べてみてください。なお、この金額は照明の真下1平方mの範囲から全く動かない(そんな1日イヤ!!)、自分が移動するのに合わせて照明が移動する、あるいは消えた照明が天井にびっしり付いていて自分が真下に来たときにだけ点灯する(どちらにしろ自分の周り以外は真っ暗)場合に限ります。1日平均1km移動する人が贅沢にもその範囲(1000平方m)をずっと照らして欲しいと思うなら1000倍の1日当たり794万4000円必要になります。

結論

"太陽の恵み"の現金価値は、429万1292+7944、で1日当たり約430万円となります。年間では約15億7000万円にもなります。でも実際はこれ以上です。まずここで計算したのは電気や石油の代金だけで、それを利用する照明や暖房器具本体の購入代金が考慮されていません。さらに太陽系外には超高エネルギーの放射線が飛び交っています。太陽から噴出している太陽風という粒子の流れがこの放射線から太陽系を守るバリアになっています。これも太陽の恵みです。(ただし放射線が届かない深い地下なら必要なし)その上、光の計算で出た、照明の真下1平方mの範囲から全く動かない、という前提が無茶過ぎます。しかし自分が移動するのに合わせて照明が移動する、あるいは消えた照明が天井にびっしり付いていて自分が真下に来たときにだけ点灯するシステムではそれを可能にする設備を整備するのにものすごい追加費用がかかります。またその設備自体も電力を消費します。しかも食料にする農産物を育てるための光も必要です。なので、最終的な結論は(430万+α)円といえそうです。

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